製造量の算出
製造業A社では,翌月の製造量を次の計算式で算出している。
翌月の製造量 = 翌月の販売見込量 - 当月末の在庫量 + 20
翌月の販売見込量が当月までの3か月の販売実績量の移動平均法によって算出されるとき,9月の製造量は幾らか。
ITパスポート平成24年度 秋期 問29
- ア
- 90
- イ
- 92
- ウ
- 95
- エ
- 100
解答:ア
移動平均法は俗に言う平均である。特別な方法で平均を求めることではなく、平均を求める範囲が対象によってずれるだけである。
移動平均法は日ごとや月ごとなど時系列のデータに対して、変動を見て変化の傾向を知りたい場合に用いる統計手法の一つである。一定の間隔を決めてその期間の平均値を計算する。平均の対象が変われば、平均の対象をずらして平均値を計算する。
例えばこの問題では、8月の翌月販売見込み量は5月、6月と7月の販売実績量の平均である。9月の場合は6月、7月と8月の販売実績量の平均である。このように平均の対象をずらして平均を計算するのが移動平均法である。
移動平均法は会計における棚卸資産の評価や在庫管理などでも用いられる。
この問題では翌月の製造量は問題で与えられている式から、以下の式で求められる。
翌月の製造量 = 翌月の販売見込量 - 当月末の在庫量 + 20
問題に翌月の販売見込み量は当月までの3か月の販売実績量の移動平均法によって算出される。と、記述されているので9月の製造量は、8月を基準に算出される。つまり、翌月の販売見込量は6月、7月と8月の販売実績量の平均である。
9月の販売見込量=(6月の販売実績+7月の販売実績+8月の販売実績)÷3
(100+90+95)÷3=95
8月末の在庫は25であるから、翌月の製造量は以下のとおりである。
95-25+20=90
よって、解答群のアが正解である。
Point
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